プログレと宇宙_第1回

 

 

 プログレッシブ・ロックと宇宙。結び付けがされやすいキーワードかもしれません。
最近の多様化したプログレッシブ・ロックとは違い、70年代に出会った作品達は宇宙を連想するものが多くありました。
このコーナーでは、私が出会った宇宙に絡む(またはこじつけた)プログレサウンドをご紹介します。


第1回 スペース・フュージョンの思い出


 70年代後半。私が高校生時代の思い出から。。
 私が高校時代のある夜。夜12時頃、濃いコーヒーなんぞを飲んだおかげで眠れなくなり、布団に入り何時間かたち、眠るのをあきらめ、枕元のラジオのスイッチを入れたのがこの番組との出会いのきっかけ。。


 スイッチを入れるとオンエアされているのは1局だけ。FM東京でした。突然沈黙から、少し低音の女性のナレーター。エコーがかかった声が耳に残る。そして、ナレーションは少なめで変わった音楽がかかる。。。 そして、ある耳慣れた曲が語りのバックに流れる。導入の語りは、ギリシャ神話。宇宙の誕生を比喩した内容でした。


 バックの曲は、キングクリムゾンの名曲、放浪者(Exiles)。導入の語りの後に、幻想的な音楽をバックにギリシャ神話の物語が淡々と語られる。。。 深夜3時半、不思議な世界に入った感覚を覚えると同時に深い感動がこみ上げてきました。”こんなにすばらしい番組がオンエアされていたのか。。”と。。

 翌日、FM番組雑誌「FMレコパル」を買いこみ、番組の確認。番組名は、「スペース・フュージョン」。放送時間は、深夜3時から5時まで。ナレーターは北玲子さんという方でした。そのときオンエアされたアーティスト名は、はっきりと覚えていませんが、ユーロ系のプログレ・アーティストだったと思います。


 この番組は、NHK系の人気番組、クロス・オーバー・イレブンのようにナレーションは少な目。時折入る、スポンサーのJUNが入った「JUN A ROPE .... SPACE FUSION ...」というエコーがかった声の印象が強烈でした。通常プログラムでは、「スペシャル・アピアランス」という作品紹介と「ギリシャ神話コーナー」にプログレがかかってました。番組の雰囲気は、北さんの声とプログレッシブな音が空間を支配し、宇宙空間で聴く音楽って感じでした。一種のトリップに近かったです。

前置きが長くなりましたが、出会ったアーティストの中で印象的だったものをピックアップしてみました。


Forever Blowing Bubbles / Clearlight (1975)

 ギリシャ神話コーナーのバックのBGMでかかってました。
「シャンソン(Chanson)」と「Way(ウエイ)」がかかりました。”馬車が暴走するシーン”だったかな?


Stillusion / Pete Sinfield(1973)

 はっきり覚えてませんが、外の空が白み始めるころの時間帯に1曲目の「シーゴートの詩」がかかって、感動した記憶があります。


Illusion/ Illusion (1978)

イチオシでもご紹介してます。
ギリシャ神話のストーリーが終わった後、一瞬の静寂の後、また静かな「Wings Across The Sea」のアコースティック・ギターの前奏が流れて、なんともいえない素晴らしい気分になりました。


Live At Carnegie Hall / Renaissance (1976)

イチオシでも他作品をご紹介。
スペシャル・アピアランスコーナーで、彼らの「カーネギー・ホール・ライブ」がオンエアされたのがキッカケでファンになりました。
「プロローグ」のスキャットを最初聴いたときは感動しました。


2022年06月18日|ブログのカテゴリー:プログレ