気ままにプログレレビュー

 

 昔聴いたアルバム。CDで買いなおしたもの。ネットの友人から教えていただいた作品など
気ままに不定期にレビューしていこうかと思います。

 


Every Good Boy Deserves Favour /The Moody Blues (1971)

 『童夢』と題されたムーディー・ブルースの'71年の作品。何曲かはこの時代らしい古さを感じますが、なぜか暖かさを感じる作品です。メロトロンが随所に効果的に味付け的に使われています。彼らの魅力はやっぱり良質なハーモニーとコーラスに尽きます。個人的には作品の中心ナンバー6. (邦題:”人生をもう一度”) が大好きです。フルート、ギターから始まって幻想的なヴォーカルとバックの盛り上がり。美しさの中に懐かしさが込み上げて来る。。そういう曲です。


1. Procession 2. The Story In Your Eyes 3. Our Guessing Game 4. Emily's Song 5. After You Came 6. One More Time To Live 7. Nice To Be Here 8. You Can Never Go Home 9. My Song


Canis Lupus / Darryl Way's Wolf (1973)

 60年代後半、プログレでも”前衛”という言葉が似合うCurved AirのメンバーだったDarryl Wayが組んだユニットの作品。元King CrimsonのIan McDonaldのプロデュース・アルバムです。作品全体のイメージは、最初の3曲(ヴォーカル曲)と後半の3曲(インスト曲)で色が違うことですね。前半は、サウンドの響きが古い感じ。でも、後半に進むにしたがって尻上がりにギター、ヴァイオリンのサウンドに厚みが出てくる感じです。時代を感じるドラム・ソロもありますし。。  極めつけは作品の最後を飾るMcDonald's Lament(悲しみのマクドナルド)。プログレというジャンルの中で、間違いなくヴァイオリンを使った”叙情的な曲の最高峰”の曲でしょう。


Side1 (Vocals)     1. The Void 2.Isolation Waltz 3.Go Down 4.Wolf
Side2 (Instrumental) 1. Cadenza 2.Chanson Sans Paroles 3.McDonald's Lament


Time Honoured Ghosts / Barclay James Harvest (1975)

 昔、偶然聴いて印象深かった3曲目のTitlesを聴きたい一心で衝動買いしてしまいました(笑)。この曲は、ビートルズの曲のタイトルを巧みに繋ぎ合わせ、サウンドもビートルズの曲のエッセンスを散りばめています。ほか、フォークを基調としたサウンドで、ポップな曲が多いですが、インスト部分はプログレッシブな音。メロトロン&シンセサイザーが狂おしいほど支配する部分があったり、曲展開が巧み&意外な展開の作品が多いです。ポップ&プログレッシブな音の対比が楽しい作品です。ヴォーカルの声がホッと安心する響きがあるんですよ。ホント。。


1. In My Life 2. Sweet Jesus 3. Titles 4. Jonathan 4. Byond The Grave 5. Song For You 6. Hymn For The Children 7. Moon Girl 8. One Night


Chronicles Ⅰ / Michael Rother (1998)

 初期のKraftwerk、Neu!に在籍したGuitaristのMichael Rotherの77年~87年に出した7枚のソロアルバムからセレクトされたベストアルバムです。彼の音楽は、ギターを中心に控えめなドラム(シンセ?)とキーボードを配したインストゥルメンタル・ミニマル・ミュージック。KraftwerkやNeu!時代の難解な前衛性を削ぎ落として、耳にやさしく聴いているとなぜかほっとする安心感があります。個人的には1~3、7に見られるギター主体の作品が好き。聴いていて気持ちよさ・爽快さが残ります。


1.Sonnenrad 2.Katzenmusic 2 3.Katzenmusic 9 4.Tiefenscharfe 5.Weserwellen 6.Flammende Herzen 7.Silberstreif 8.Fernwarme 9.Sudseewellen Dance Remix 10.Pulsar 11.Reiselust 12.Gitarrero

 


Cyclone / Tangerine Dream (1978)

 最初に聴いたジャーマン・ロックはTangerine DreamのStratosfear(浪漫-1976年)でした。宇宙的なひろがりがあり、宗教的な感じもするしシーケンサー、シンセサイザーの織り成すサウンドに酔いしれた(?)ものでした。
 オール・インストの電子音楽という彼らへの印象を見事?に打ち破られた作品がこの作品。1曲目のBent Cold Sidewallkでのアルバムタイトルさながらの”吹き荒れる”ようなシンセサウンドの嵐の合間に歌われる”ヴォーカル”!2曲目もヴォーカル入りです。彼らのアルバムと歌はミスマッチかなと思いましたが、なかなか良い。高音気味だったり低音のスキャットだったり、けっこう変化のあるヴォーカルで印象深かったです。最近、思い出したように聴いてます。


1. Bent Cold Sidewalk 2.Rising Runner Missed By Endless Sender 3.Madrigal Meridian


ⅩⅩⅤ The Essential Mike Oldfield / Mike Oldfield (1997)

 プログレのベスト盤はあまり良い作品がないと思い、購入をためらっていましたが、マイクのこの作品はあまりの収録曲の多彩さに食指。思わず購入。しかし、買った帰り道、長い曲の編集の連続であることで失敗かな。。と思いましたが、実際聴くとオリジナル作品とは違った新しい作品を聴いているような感じ。彼の25年間の作品の”エッセンス”が詰まった、”幕の内弁当”のような作品です。


1.Tubular Bells (Excerpt) 2.Hergest Ridge (Excerpt) 3.Ommadawn (Excerpt) 4.Incantations (Excerpt) 5.Moonlight Shadow 6.Portsmouth 7.Good News (From 'The Killing Fields' ) 8.Sential (Tubular Bells Ⅱ)-Remix 9. The Bell -Remix 10.Let Me There Be Light 11.Only Time Will Tell 12.The Voyager 13.Women Of Ireland 14.Tubular Bells Ⅲ (Excerpt)


WHITE ROCK / RICK WAKEMAN (1977)

 冬季五輪を見ていて思わず連想し、昔録音したテープを引っ張り出して聴いています。76年のインスブルック・オリンピックのサントラのリックのインスト作品。シンセの多重録音でノリの良いタイトル曲と2曲目の曲中の女性のスキャット声。そして、叙情的なピアノ曲(後半シンセ)の6曲目が特にお気に入りです。ロシア風の7曲目はちょっと勘弁。。


1.White Rock 2.Searching For Gold 3.The Loser 4.The Shoot 5. Lax'X 6. After The Ball 7.Montezuma's Revenge 8.Ice Run


YOU / GONG (1974)

 オーストラリア生まれのデビット・アレンがパリで結成したバンド。フランスのバンドとしてカテゴリ分けされています。Gongは時期によって音が変わりますが、後期のピエール・モーラン(ds)がリーダーシップを取っていた時期(=ジャズ・ロック的)よりも、前期のデビット・アレン(g,Vo)がリーダーシップを取っていた本作の”テクニカル・ドラッグ・サウンド”が私は好きです。ジョークなような音があったり、はたまた”空間を飛びまわる幾多の音が瞑想へと導く”感じがしたり、さまざまな印象を感じるアルバムです。中でも5.が最大の聴き物。シンセ&フルートの限りなく広がる音にノックアウトです。スティーヴ・ヒレッジ(g)のギターワークがVeryGood!!


1.Thought For Naught 2.APH.P.'s Advice 3.Magick Mother Invocation 4.Master Builder 5.A Sprinkling Of Clouds 6.Perfect Mystery 7.The Isle Of Everywhere 8.You Never Blow Yr Trip Forever


Tudor Lodge / Tudor Lodge (1971)

 Ann Steuart(Vo.)、Lyndon Green(g,vo)、John Stannard(g,vo)の3人組。いきなり中世風雰囲気漂うオープニング。アコースティック・ギター、ピアノ、そして雰囲気を盛り上げるさりげないストリングス。。個人的にはこのアルバムは、特にフルートの音色が好きですね。女性ボーカル(Ann)中心の曲と男性ボーカル中心の曲がありますが、どちらも高音部が伸びきったクリアなボーカルで好感がもてます。ハモリナンバーも絶品。


1.It All Comes Back To Me 2.Would You Believe? 3.Recollection 4.Two Steps Back 5.Help Me Find Myself 6.Nobody's Listening 7.Willow Tree 8.Forest 9.I See A Man 10.The Lady's Changing Home 11.Madeline 12.Kew Gardens


Swadding Songs / Mellow Candle (1972)

 2人の女性ボーカルをフューチャーした5人組グループ。アコースティックな響きの中に、エレキ・ギターが隠し味のように目立たずさりげなく入っているのが面白い。ヴォーカルはどことなく”ケルト”の響きを感じます。ルネサンスのアニー・ハスラムに匹敵するくらいの美声かなと思います。


1.Heaven Heath 2.Sheep Season 3.Silver Song 4.The Poet And The Witch 5.Messenger Bird 6.Dan The Wiing 7.Reverends Sisters 8.Break Your Token 9.Buy Or Beware 10.Vile Excesses 11.Lonely Man 12.Boulders On My Grave


Bells,Boots And Shambles / Spirogyra (1973)

 Barbara Gaskin(Vo.)、Martin Cokerham(Vo.,G)の2人組。生ギター、チェロ、フルート、トランペット、ピアノとアコースティックな響きにどこか寂しげな女性ボーカルの曲が心に残ります。決して美声ではないのですけれども、素朴な響きがなぜか懐かしいのです。昔(70年代後半)、週末の深夜のFMで聴いたスペース・フュージョンの雰囲気が甦ります。。 男性ボーカルの曲もありますが、ちょっとひょうきんな響きの曲もあり、それがまたアクセントになっています。


1.The Furthest Point 2.Old Boot Wine 3.Parallel Lines Never Seperate 4.Spiggly 5.An Everyday Consumption Song 6.The Sergant Says 7.In The Western World: a.In The Western World b.Jungle Lorec.Coming Back c.Western World Reprise


Black Water / Altan (1996)

90年代最高のアイリッシュ・トラッド・フォーク・グループとも言える彼ら。この作品は、メジャー・レーベルのVirginからリリースの第一弾。ヴァイオリン、アコーディオン、ギター、フィドル、ホイッスルなどの楽器を基調としたダンス・チューンと、ケルト音楽伝統の美しい女性ボーカルの曲が交互に現れます。ヴォーカルのマレイド・ニ・ウィニーの透明かつ心の奥底をやさしく刺激する響きのある声が特に魅力です。哀愁のギター&ピアノ+悲しげなヴォーカルの4.。何か”故郷”を感じる雰囲気の11.。心に染みるサウンドです。

1. Johnny Boyle's / King Of The Pipers (Jigs)
2. Dark Haired Lass / Biddy From Muckross / Sean Maguire's (Reels)
3. 'Stor,A Stor,A Ghra (Song)
4. Strathspey / Con Mcginley's / The Newfoundland (Reel)
5. Ta Me 'Mo Shui (Song)
6. An Gasur Mor / Bunker Hill / Dogs Among The Bushes (hornpipe & Reels)
7. The Curly Molly Nee Chullin-An (English Translation)
8. Jenny Picking Cockles / Farewell To Leitrim / John Doherty's (Reels)
9. Ar Bhruach Na Carraige Baine (Song)
10. The Dance Of The Honeybees (Hornpipe)
11. Blackwaterside (Song)
12. A Tune For Frankie (Jig)


Tresures (The Very Best Of ) / Iona

 アイオナは、ヴォーカルのジョアンヌ・ホッグの伸びのある美しい声が印象的。バックを彩る様々な楽器を用いたケルト風ロック(ロック風ケルト?)という感じが第一印象。しかし、何回か聴き込んでいくといろいろなスタイルの曲があり、どの曲も工夫されてます。曲によってはもろケルトなサウンドもあったり、サックスをフューチャーしたフュージョン風な曲もあります。ドラム、ギターもロックを基調としているサウンドですが、ドラムの叩き方、ギターの鳴らし方がケルトしてます。もちろんホイッスルの音、弦楽器や美しいピアノサウンドは、ヒーリング音楽にも通づるところがありますね。このアルバムは彼らの初期の3枚(Iona、The Book Of Kells、Beyond These Shores)からの編集盤。プログレファンならルネサンス、ポップスファンならコアーズが好きな方なら絶対気に入ると思います。 ※80sファンにおなじみの元カジャグーグーのニック・ベックスがこの頃の作品に参加していると知りビックリ!!


1. Treasure
2. The Island
3. Flight Of The Wild Goose
4. Chi Rho
5. Burning Like Fire
6. Iona
7. Revelation
8. Columcille
9. Dancing On The Wall
10. Kells
11. Today
12. Here I Stand
13. Edge Of The World
14. Matthew The Man
15. Beyond The Shores

2022年06月18日|ブログのカテゴリー:プログレ