Renaissance(Illusion)


ルネッサンスというグループの歴史を解説するのはちょっと複雑なので、簡単にいいますと、全く違うメンバーの2つのグループが存在し、両者とも女性ボーカルをフューチャーしたクラシカルなロックです。ソフィスティケイトロックとも言われましたね。美しいボーカルにピアノ、ギター、時にはオーケストラをフューチャーしたサウンドは、”天上人の音楽”とも言えるほど見事です。

 

My Favorite 3 Albums(Renaissance)

Anne Haslum

(Renaissance)

 

Prologue / Renaissance(1972)

衝撃的な(印象的な)ピアノのイントロから始まるスキャット曲のタイトル曲。悲しげな詩とサウンドのKiev。波の音をバックにアニーさんの声が美しく響き渡るSound Of The Seaなど全6曲。70年代初期という古さを感じさせないいつまでも生き生きとしたアルバムであると思います。


Scheherazade and Other Stories / Renaissance (1975)

私がルネサンスを知ったきっかけとなったFM番組「Space Fusion」。この番組で彼らのカーネギーホールライブを聴いたのが初めての出会いでした。そのなかのハイライトであったOcean Gypsyが収録されているのがこのアルバム。もう、これ以上の美しさはない(後述のIllusionを除けば。。。)程、美しい曲です。
 前奏のオルゴールが印象的で、まるでメリーゴーランドに乗ってるかのような曲調のTrip Of The Fairや壮大なタイトル曲も聴きものです!


Novella / Renaissance  (1977)

 私が、初めてリアルタイムで聴いた(購入した)ルネサンスのアルバムがこのアルバムです。
 大々的にフューチャーされたオーケストラが印象的です。10分を超える壮大な曲Can You Hear Me?。 クラシックギターが印象的なSisters。層の厚いエコーのかかったアコースティックギターが印象的なMidas Manなど、このアルバムは特にサウンド面に工夫があって好きです。


My Favorite 2 Albums(Original Renaissance,Illusion)
My Favorite 3 Albums(Renaissance)

Jane Relf 

(Original Renaissance, Illusion , Renaissance-Illusion) 

 

 

Illusion / Renaissance (1971)


 そもそも、ルネサンスはヤードバーズを脱退したキース・レルフが妹のジェーン・レルフをフロントボーカルに据えて始めたバンドでした。
 その初期ルネサンスの2枚目がこのアルバム。このアルバムには、Face Of The Yesterdayという私にとって一番好きな曲が収録されてます。淋しげなしっとりとした雰囲気を持った名曲です。曲の中盤と後半のスキャットがたまらなくいいです。


Out Of The Mist + Illusion / Illusion (1977、78)


 キース・レルフが亡くなった後、残りのメンバーを中心に結成されたのがイリュージョンです。オリジナル・ルネサンスを70年代後半風にアレンジしたのがIllusionサウンド。繊細な美しさが全編を通して感じられます。
 私が彼らを知ったきっかけも、前述のFM番組SpaceFusionでした。ユーロ・プログレッシブロックをバックにギリシャ神話の語りが入るコーナーがあり、そこでIllusionのWings Across The Seaが流れ、なんとも懐かしい気分になった想い出があります。このアルバムは彼らの2枚のアルバムをセットにしたCDです(お買い得です!)。





Concert


2001年に観たRenaissance公演の想い出です。

ルネサンス東京公演

2001年3月16日(金)19:00~21:10
東京新宿厚生年金会館

昨年まで洋楽空白期間がありました私にとって、洋楽コンサートは実に7年ぶり(昔もあまり行っていないですが)。興奮が押さえきれず、数日前から仕事も手につかない状態でした(笑)。当日の仕事は、年休を取って早めに会場に足を運びました。

来日メンバー
Annie Haslam (Lead Vocal)
Michael Dunford (Guitar,Backing Vocal)
Terence Sullivan (Drums,Percussion)
Micky Simmonds(Keyboards)
Rave Tesar(Keybords)
David Keyes(Bass,Backing Vocal)

 

開演(19:10) :Prologue Orchestral BGM

1 Carpet Of The Sun 「Ashes Are Burning(燃ゆる灰)」
2 Opening Out(めざめ) 「A Song For All Seasons(四季)」
3 Midas Man(ミダスの誘惑) 「Novella(お伽噺)」
4 Lady from Tuscany 「Tuscany(トスカーナ)」
5 Pearls Of Wisdom 「Tuscany(トスカーナ)」
6 Dear Landseer 「Tuscany(トスカーナ)」
7 Northern Lights(北の輝き) 「A Song For All Seasons(四季)」
8 Moonlight Shadow 「Moonlight Shadow(ムーンライト・シャドウ)/Annie Haslam 」
9 Precious One 「The Dawn of Ananda / Annie Haslam」
10 Ananda 「The Dawn of Ananda / Annie Haslam」
11 Mother Russia(母なるロシア) 「Turn Of The Cards(運命のカード)」
12 Trip To The Fair 「Scheherazade And Other Stories(シェエラザード夜話)」
13 One Thousand Roses 「Tuscany(トスカーナ)」
* アンコール
14 I Think Of You 「Turn Of The Cards(運命のカード)」
15 Ashes Are Burning(燃ゆる灰) 「Ashes Are Burning(燃ゆる灰)」
終演(21:10)

 

下記は2001年に記載の感想です。


(全体的な感想)


 まず、一言! 「最高~!」 後世に残るコンサートの1つと言っても過言じゃないでしょう。
 全体的な印象としては、落ち着いて、座って聴けるコンサートであったこと。メンバーの演奏位置は最初から最後まで不変でした。さすがクラシック&トラッドの香がする生音を大切にするバンドのコンサートだと実感。みなさん落ち着いて座って、アニーさんの声に聴き惚れていましたね。 (なぜかハードロックバンドみたいに首振ってる観客が数名いましたけど(笑))
 スピーカーの音量も大きすぎず、小さすぎずGoodでした。また、観客の年齢層が高く、恐らく30代(後半)~50代の観客が多かったと思います。平日ゆえ、会社帰りのサラリーマンが多かったです(遅れてくる人もちらほら)。小さな子供連れの主婦の方もいたのには驚きました。

(各曲感想)


Carpet Of The Sun
Michael Dunfordのリズムを刻むアコースティック・ギターから始まり、Rave Tesarのピアノが絡み、加えてAnnieさんのクリスタル・ヴォイス!この3段階がタマラナク良いです!!”待ちに待ったルネサンス!”という感動とともに、会場が ”太陽のように明るく” なった感じでした。


Opening Out
ドラマチックな前奏が流れて、私の目頭に涙が...くらい感動の曲です。キーボード隊2名の効果が早くも出て、オーケストラルな雰囲気が出てました。


Midas Man
私にとってルネサンスの出会いのアルバム「お伽噺」の曲が聴けたので、大満足です。Michael氏の12弦ギターの響きがたいへん美しかったです。Michael氏、David氏のバックコーラスも控えめながら良かったです。


Lady From Tuscany
Pearls Of Wisdom
Dear Landseer
 新譜なので、もちろん事前にライブ盤などありませんので、ライブステージでどんな感じかな?と期待してました。Lady From~のAnnieさんの冒頭のスキャットが響き渡った瞬間、”ライブっていいなあ!”と実感。キーボード隊のステレオ効果がよく出てたと思います。6弦ギターでコードを刻むDear~も地味ながらコンサートにアクセントをつけていました。


Northern Lights
再び会場が明るくような(タイトル通り)雰囲気が充満しました。(実際、ライティングが明るくなりました)


Moonlight Shadow
Mike Oldfieldの名曲が聴けてよかったです。ただ他の曲の印象が強烈でしたので、聴いたときは興奮しましたが、今思うと ”演奏していたな~”って感じです。


Precious One
Ananda
Annieさんのソロアルバムから2曲。特にAnandaのインディアン的な効果音が印象的でした。この2曲が入ったアルバムは未聴でしたので、あらためて聴いてみようと思います。


Mother Russia
聴きたかった名曲の1曲です。キーボードのMicky氏が譜面を用意して弾く(ロックコンサートで初めて見ました)姿を見て、難曲なんだな~と実感。後半、ドラムスのTerence氏が一生懸命叩く姿が印象的でした。


Trip To The Fair
名盤「シェエラザード夜話」の冒頭を飾る名曲が聴けて感無量!見事にオーケストラルな前奏、効果音風なところ(叫び声風効果音こそなかったですけど)を再現していました。特にRave氏のジャズ・ピアノ風な演奏が素晴らしかったです。タダモノではない技巧派です。彼は。。。


One Thousand Roses
アンコール前の最終曲は新譜から。リズム隊が入る前のAnnieさんが歌い上げる部分。目をつぶってきき惚れてしまいました。彼女の声は、流行りのヒーリングに通じるところがあるな...と実感。ドラマチックなラスト曲でした。


I Think Of You
古くからのメンバー3名(Annieさん、Terence氏、Michael氏)によるアンプラグド・ナンバー。アコースティック・ギタ-とコンガのシンプルなバックにAnnieさんの美声が映えます。


Ashes Are Burning
やはりアンコール最後はこの曲。Annieさんのスキャットがすごい。高音の美しい声でいて、音域も広い人って、恐らく彼女を超える人はいないでしょうね(いたら教えて欲しい)。長い演奏でしたが、ベース・ソロを除いては間延びすることなく(ベースソロ→ドラムソロと)進行しましたが、Micky氏のキーボードが加わった時、思わずCamelの名曲 ”Lady Fantasy" の後半部分に似てるーと感動してしまいました(私だけかな?)。そういえば、彼は昔、Camelに参加していたことがあるそうですね。
 コンサートは本当のクライマックス。”終わらないでくれ~”と心の中で絶叫しましたね。

 私が一番聴きたかった名曲「Ocean Gypsy」こそやりませんでしたが、Annieさんのクリスタル・ヴォイスを生で見れた&聴けただけでも財産になりました。あまりにも高い”コンサート・グッズ”(最近はパンフレットが3500円もするんですね!!)は一切買いませんでした。
 感動を心の中に大切に保存するだけで十分満足しています。


 このコンサートの模様はCD化されました!


In The Land Of The Rising Sun  'Live' in JAPAN 2001

 2002年5月 待望の2001年ジャパンツアーライブ音源の公式盤が登場!!私が行った新宿厚生年金会館のライブがほぼそのまま収録されています(冒頭のPrologueのオーケストラが入っていないのは残念ですが・・)。自分が行ったコンサートの音源を聴くのもまた良いものです。前半はちょっと演奏にまとまりがないように聞こえました(生ではそう感じなかったのに・・全盛期のライブと比べるとちょっと酷か・・ しかし、圧巻はTrip To The FairとAshes Are Burningの登場する2枚目のCD。生の迫力が甦りました!良いステレオセットで聴くことをオススメします!
曲名は上記コンサートレポを参照下さい。
(Carpet Of The Sun~Ananda迄が1枚目のCD、Mother Russia ~ Ashes Are Burningまでが2枚目のCD)
                                            (2002.5.22)


 


2022年06月17日|ブログのカテゴリー:プログレ