プログレと宇宙_第2回

 

 

 プログレッシブ・ロックと宇宙。結び付けがされやすいキーワードかもしれません。
最近の多様化したプログレッシブ・ロックとは違い、70年代に出会った作品達は宇宙を連想するものが多くありました。
このコーナーでは、私が出会った宇宙に絡む(またはこじつけた)プログレサウンドをご紹介します。


第2回 天文の話


その1:高校・大学時代


 私は高校時代より天文に興味を持ち、趣味の1つとしています。高校、大学時代にいろいろな仲間と出会いました。車に観測機材を積んで、静岡県御殿場の富士山(表富士5合目)や山梨県の甲斐大泉・清里方面によく観測に出かけました。

 天体望遠鏡を使って星雲・星団を見たり、月や惑星のスケッチをしたりなかなか楽しかったですが、中でも一番好きだったのは”流星観測”。広場のような観測場所で4~5人が1時間近く、星空の下にねころび、あなたは北の空担当、あなたは南の空、あなたは天頂。。。って感じで空の場所を決めて、流星が流れるのをじっと待つ。。。結構忍耐がいる観測です(寝てしまう輩もいました(笑))が、流れる瞬間って素晴らしいんです!何か普段のいやなできごとが忘れられる感じで。。 ”宇宙に生きているちっぽけな自分”を再認識するっていう感じかな?

 そんなシチュエーションの時、カセットテープに録音して星空の下でよく聴いていた音楽です。

最近、(CDNOWさんでみたら)NewAgeにジャンル分けされているのですね、彼ら。喜太郎がそうだから当然か。。私の中ではプログレですけどね。(New Age っていう言葉が流行る前の音楽ですから。。。)。


Opera Sauvage / Vangelis (1977)

 イチオシでご紹介している「天国と地獄」および「反射率0.39」と並んでよく聴いていたのがこの作品です。叙情性あふれる作品が満載です。


Oxygene / Jean Michel Jarre (1977)

 波のように押し寄せるシンセサイザー音。機械的に聞こえますが、曲調の強弱、盛りあがり方が特に宇宙に合うのです。

 


その2 社会人初めの頃


 1987年9月。沖縄で金環日食がありました。日本で日食が見れる~!ってことで、私は少ない給料を工面し、当時入っていた天文サークルの仲間と沖縄へ出かけました。日食数日前に行きましたが、皇太子様(当時)の沖縄訪問と重なり、警備が物々しい中現地入りし、レンタカーで本島内を散策。沖縄料理に舌鼓を打ち、ムーンビーチで遊んだり楽しかったな~。

 初日~観測前日までははっきりしない天候が続いたのですが、当日は晴れました。雲の隙間から太陽がリング状になる金環食を見ることができました。

 以前から、”日食を見ると人生変わるんだって!”って友人が言ってましたが、確かに。。。日食中は珍しい光景がありました。暑かった日差しが食が進行するにつれ、ひんやりとした風に変わり、天頂付近が暗くなり、地平線付近が明るくなる。。。そして、環境の変化を察知した動物たち(特に鳥)の動きが騒がしくなる。鳴き声とはばたきの音が妙に気になる。。ドキュメンタリー番組でみるアフリカの景色を日本で見た。。っMike Oldfield
 / Incantations (1978)て感じでした。金環に入った瞬間は興奮しました。皆既日食だったらもっと凄いのでしょうね。

 後日、日食の様子&旅の記録ビデオを編集し、ナレーション&BGMを入れました。使ったのはもちろんプログレでした。やはり宇宙はミニマル系音楽が合うのでしょうか?選曲時、選んだのはミニマルな味のある作品ばかりでした。

 

New Age Of The Earth / Ashra (1976)

 Deep Distanceという曲が特に太陽に合ってるな~と感じました。ジャケットそのものです。


Ricochet / Tangerine Dream (1975)

まるで日食の時の空の色を彷彿するジャケットでピンときて、Part2の冒頭のピアノ~ミニマル・シンセの部分を選びました。


Incantations / Mike Oldfield(1978)

 イチオシでもご紹介。だんだん盛りあがっていくPart4。冒頭のインパクトは強烈でした。ハープのような音。エコーがかかって美しい。それに続くミニマル木琴。雰囲気ある作品でした。



2022年06月18日|ブログのカテゴリー:プログレ