KING CRIMSON

 

 1969年の衝撃のデビュー以降、メンバー交代を繰り返しながら現在まで(解散もありましたが)常に前進し続けるグループでしょう。数行の言葉では語れない奥深いグループです。
 在籍した多くのメンバーに技量と個性が感じられるグループともいえます。つまり、”あのメンバーのあのプレイ最高”という話が尽きることなく、Fanの間で語ることのできる歴史のあるグループでしょう。私は、特にJohn Wetton(b,Vo)の渋い声と張りのあるベースプレイが大のお気に入り。

 

My Favorite 3 Albums

In The Court Of The Crimson King (1969)


 全英チャートでBeatlesのAbby RoadからTOPを奪ったという話が有名なクリムゾンのデビューアルバム。 EL&PのGreg Lake(b,Vo)、後にフォリナーの結成に加わったIan McDonald(key)などが参加してます。
 オープニングの「21世紀の精神異常者」は、いつ聴いてもすごい作品だと思う。Frippのギターとリズムセクション、サックスの絡みが最高です。心に染みる名曲、「クリムゾン・キングの宮殿」「エピタフ」が入ったこのアルバム。「ムーン・チャイルド」の後半部分はプログレファン以外は閉口するかも。。


Larks' Tangues In Aspic (1973)


 「太陽と戦慄」の邦題タイトルでおなじみのこの作品。最初と最後に同名タイトルのPart1と2が入ってます。Bill Bruford(Dr)とJamieMuir(Per)が強烈なリズムを刻みます。”動”と言えるタイトル曲の他には、”静”の名曲Exiles、Book Of The Saturdayが収録されてます。後者は、AsiaのコンサートでJohn Wettonが歌っていたので、聴いた方は多いと思います。あ!あとDavid Cross(Vio)のバイオリンもよい!


Starless And Bible Black(1974)


 1曲目のThe Great Deciever(偉大なる詐欺師)の大音量カットインで始まるイントロが衝撃的。Lament(人々の歎き)の動と静の対比、Trioのクラシック的な美しさなど、前半(いわゆるアナログレコードA面)はバラエティーに富んでます。後半は、難解なインストナンバーが2曲入ってます。この2曲(アルバムタイトル曲とFracture)が気に入ったら、あなたは十分にクリムゾン・マニアです!




Concert


2001年に観たJohn Wetton公演の想い出です。

ジョン・ウエットン Featuring イアン・マクドナルド 東京公演

2001年6月7日(木)19:00~21:00
東京渋谷 ON AIR EAST

ジョン・ウエットンを生で見るのは、1991年のエイジア(ゼン&ナウ発表当時のコンサート)以来10年ぶり。私が洋楽から離れていた時期に来日したスティーブ・ハケット(元Genesis)&フレンズのコンサートの来日公演(ウエットンがvo&bで参加)の素晴らしい内容をDVDで見ていましたので、期待大でした。。。

 当日、会社を午前中で切り上げ、早めに渋谷入りし、渋谷PARCOでやっていたヒプノシス展などゆっくり見つつカラオケBOXで休憩などとっていたら、夕方5時ごろ急に大雨に見舞われ、道玄坂でびしょびしょに(泣)~ これはなにか悪いことがある前兆か... やっぱりスタンディングだもんな.... 耐えられるだろうか... などと考えながら、びしょぬれに濡れて会場へ。

 ON AIR EASTはスタンディングのライブハウス。あまり広くないので、どこにポジションを置いても、はっきり見える広さ。整理券番号が300番台中盤の私でも、友人のえんちゃんとともに会場中央にある手すりの後方に陣取ることができました。(会場前にお会いした友人の邪外さんと溶解さんは、最前列ゲットしたようですね~)

 たちっぱなしで待つこと1時間。すでに足は棒になってる。照明が暗くなり、コンサートスタート!

来日メンバー
John Wetton (vo,b)  
John Mitchell (g)
John Beck (key)
Steve Christey (d)
Ian McDonald (fl,sax,key,g)

 

開演(19:00)

1 Heart Of Darkness / John Wetton
2 Red / King Crimson
3 In The Dead Of Night / U.K
4 Sole Survivor / Asia
5 Battle Lines / John Wetton
6 The Court Of The Crimson King / King Crimson
7 Book Of Saturday / King Crimson
8 Emma / John Wetton
9 Before Your Eyes / John Wetton
10 Thirty Years / U.K ~ Hold Me Now / John Wetton
11 GuitarSolo ~ Easy Money / King Crimson
12 After All / John Wetton
13 Forever And Ever / Ian McDonald
14 Rendez Vouz 6:02 / U.K
15 Starless /King Crimson
* アンコール -
16 The Night Watch / King Crimson
17 Heat Of The Moment / Asia
終演(21:00)

 

下記は2001年に記載の感想ですが、JohnもIanも天に召された今、貴重な体験です。

 


(全体的な感想)


 ジョン・ウエットンを見に行く意味。それは、彼が在籍していたいくつものグループの名曲を聴くこと。特にわたしは、クリムゾン時代・UK時代の曲に興味集中でした。
 内訳は、クリムゾン6曲、UK3曲、エイジア2曲、ソロ6曲、マクドナルドの作品1曲。演奏は、はっきりいって”雑”でした。ベースのフレット間違えたり、キーボードの音が遅れて他と合っていなかったり。。。
 しかし、ウエットンの声。彼しか出せない魅力的な声。。それはハッキリいって聴く価値大でした。あと、ほとんどの観客のお目当てのイアン・マクドナルド(元キング・クリムゾン)のフルート演奏!彼のフルートを生で聴けたのは一生モノの思い出になりました。あと、意外な曲(Red)が登場しビックリでした。
 会場はミュージシャンが身近に見ることができる広さで、ビジュアル的には満足ですが、音が篭もってしまって残念ですね。やっぱり、ルネサンスの厚生年金会館みたいな会場で見てみたい。。

(各曲感想)


Heart Of Darkness
映画・RockyのBurning Heart/Survivor にそっくりな最新作の1曲目でスタート。”ウエットンさん声が出ていないよ~” 前夜、歌いすぎたのか、飲みすぎたのか(笑)。。スタートでコケタって感じ。。


Red
まさか!の1曲。ライティングが赤色に!クリムゾンの代表曲(インスト)ですが、ジョン・ウエットンが作曲に加わっていないのによく演った!と思いました。ギター中心の曲なので、ジョン・ミッチェル氏大活躍。楽しそうに演奏してました。中盤の本来ならバイオリンの重厚な演奏がが入るところは、ウエットンのベースソロ。ちょっと淋しいですね。


In The Dead Of Night
続いて、UKの1枚目より。立ちあがり悪かったウエットンの声もすこしづつ回復傾向。変拍子の曲なので、なかなか演奏がキマリませんでした。キーボード(ジョン・ベック)さん。タイミング遅れてるよ~でもその辺目をつぶれば、この曲を聴けただけでも満足!


Sole Survivor
エイジアの1枚目より。地味目の1曲ですが、この曲を選んだウエットンとしては意味のある1曲だったのでしょうか?確かにこの曲なら進行上、違和感なかったですね。エイジアの曲は目立つから。。。この曲で声が本調子に戻ってきたみたいでした。


Battle Lines
ウエットンのソロは、最近まであまり聴き込んでいませんでしたが、サビのフレーズが思わず口ずさみたくなるフレーズです。わたしの前の観客は一緒に歌ってましたね。カラオケに入らないかな?練習するのに(笑)。


The Court Of The Crimson King
でた~!ロック史に残る不朽の名作。ウエットンの声がエコーがビンビンにかかって、オリジナルのグレッグ・レイクの声にそっくりでした。イアン・マクドナルドのメロトロン風キーボード(メロトロンじゃない?)、そして透明なフルートの音!一生忘れません!


Book Of Saturday
名曲の連続にわたしはノックアウト!ウエットンの声って心に残りますね~。衰えたといえども、しんみりする曲は”年の功”というか、味わい豊かです。


Emma
名曲の後だったので、ソロの曲が浮いてしまう感じがしました。この曲も、しんみりとしたアコースティック・ナンバー。


Before Your Eyes
最新作からのアコースティックな味わいの1曲。


Thirty Years ~ Hold Me Now
ウエットンの裏声が映えるThirty Years。わたしはこの曲の後半が好きだったのですが、後半はカットされていたような。。ソロの曲に知らない間に移ってましたね(メドレー)。Hold Me Nowの力の入ったヴォーカル。まだまだ現役の彼を肌で感じた1曲でした。


Easy Money
この曲!聴きたかった1曲!この来日メンバーで、一番ハマっていた1曲だったかな?と思います。オリジナルのクリムゾンの演奏をウエットンなりのアレンジで再現したという感じ。パーカッションの音やギターの音色も工夫されていたかなと思います。


After All
前曲の印象が強すぎて、地味に聞えました。


Forever And Ever
マクドナルドの曲。わたしはあまり印象に残ってないです。


Rendez Vouz 6:02
この曲もお目当ての1曲。ウエットンのステージの定番の1曲です(91年のエイジアのときも演奏されました)。今回はバンドでの演奏。ウエットンの声がやっぱ渋いっす!


Starless
たいへん残念でした。ギターの音が陽気すぎ!!!反省して欲しいですね!ギタリスト!曲のイメージぶち壊し!それを除けば、フル演奏でマクドナルドのサックスも気合入ってたし、エンディングにふさわしかったです。

(アンコール)
The Night Watch
前奏の効果音。続くウエットンの静かな味わいのヴォーカル。。。感動して、気絶しそうでした(笑)。夢にまでみたこの1曲!!!まさにこの曲が聴けて&見れて満足でした!


Heat Of The Moment
最後の1曲にはやはりコレ!しかし、前までの曲と”違う”と感じました。なんせ、トップ40ヒットですからね。たいへん盛りあがって、思わず合唱しましたが、なにか足りない。。ジェフ・ダウンズの首からかけたキーボードがあってのラスト曲ですから。。

(最後に)
 ジョン・ウエットンは太りましたね。91年来日時は、ちょっと太めになったなと感じましたが、見事な2重顎!
 それはさておき、全体的な印象は”懐メロ大会”の一言に尽きます。キング・クリムゾン、UK、エイジアの曲が光り、ウエットンのソロの曲は沈んだ印象。決して悪い曲じゃないんですけど。。 バラード調の名曲が多いのですけどね。。


 


2022年06月17日|ブログのカテゴリー:プログレ